「大切な人に、幸せになってもらいたい。」
そんな願いを持っていらっしゃる方は、とても多いと思います。
困っていたら、手助けしてあげたいし、
悩みがあったら、聞いてあげたい。
そう思うことは、ぜんぜん悪いことではないのですが、
相手の事情に引っ張られて
自分までも、まきこまれてしまうのは、
ちょっぴり「心の距離が近すぎる」なのかもしれません。

いつもありがとうございます。
カウンセリングサービス 心理カウンセラー服部希美です。
今日は、カウンセリングでお伺いする
お悩みの大元に眠っていることの多い、心の距離感について書いてみたいと思います。
相手の問題を必要以上に背負い込んでいませんか?
たとえば、彼が
悩みを抱えているみたいで、落ち込んでいる。
「話を聞いてあげたいな~」
「何か力になれたらいいな」って思うことは、あなたの優しさだと思うんですね^^
彼の悲しみに寄り添ってあげたい。
励ましの言葉をかけてあげたい。
積極的に関わりを持ってあげることも、
とっても素晴らしいことだと思うんです!
でも、いくら彼が悩んでいるからと言って
自分まで、ドーンと落ち込んでしまったり、
彼の問題なのに、自分の頭から離れなくなってしまったり、
まるで自分事のように、入り込みすぎて
彼と揉め事が起きてしまう、、
そんなときには、心的距離が「くっつきすぎている」可能性があるのですね。
心の距離感が近すぎると、相手が見えなくなる「癒着」の心理
実は、人と自分がくっつきすぎてしまうと、相手が良く見えなくなります。
遠すぎても見えないのですが
よく近すぎても見えなくなっちゃうのですね。
なぜかといいますと
心理的にくっつきすぎてしまうと、
相手は「別の人間」のはずなのに、 まるで自分のことのように感じてしまい境目がなくなってしまうからなんです。
「自分と同じように、相手も感じるだろう」
「自分と同じように、感じるべき」
と感じやすくなってしまい、
相手の意志を尊重できなくなってしまうからなんですね。
もちろん、お互いにです。
人との関係で「癒着(ゆちゃく)」という心理状態があります。
これは、心理的に相手と自分の境界線が曖昧になり、まるで自分のことのように相手の問題を感じてしまう状態です。
まるで接着剤でくっついてしまったように
ふたりが心理的にくっついている状態をいいます。
たとえば、パートナーが悩んでいるとき、自分も同じように落ち込んでしまったり
相手の問題が頭から離れなくなったり。・・
こうった「くっつきすぎている関係自体」は、どこでも起こるのですが
パートナーシップでは特に起きやすいといわれているのですね。
なぜならば、パートナーは一番近い「他人」だから。
二人三脚でやっていくのはとっても大事なのですが
一体化してしまうと・・どうでしょう?^^;
ちなみに、癒着が起きているときには「心理的摩擦」がメチャクチャ起きやすいのが特徴です。
たとえば、こんな感じ。
私:「私はあなたのことを思って、アドバイスしてあげてるのにっ!」
彼:「別に、そんなこと頼んでないし!うるさいなぁ!」
・・・・
私もね、たくさんたくさんやらかしたことがあるのですが^^;
こうやって入り込んでしまうことが「近すぎる」と思っていなかったんですよね。
今から思うとね、彼も私と同じ、ひとりで自立して生きている大人。
もちろん、悪気があったわけではなく「こういうものだ」と思っていたわけですが
世話を焼くことが愛みたいなところが、当時の私にはあったように思いますね。
*
心の距離が離れすぎていることで起きていることも多いので
「私の場合はどっちだろう」と悩まれた方はカウンセリングをご活用いただけたらと思うのですけどね
くっつきすぎているとき、私たちは
「本当の私(俺)のこと、分かってくれてないなぁ!」
って、腹が立ったり。
こんなにも、愛しているのに。
こんなにも、相手のためにがんばっているのに。
なんだか、気持ちが伝わらない。
「私の愛する力が足りないのかな・・」
「俺じゃ、役不足なのかな・・」
って感じやすくなり、
お互いに、孤独感を感じやすくなります。
こういうときには、あなたの愛はそのままに
適切な距離を取ることが大事^^
それは「無視する」とか「構わない」とか
相手に怒りをぶつけたり、文句を言うとかではなくてね
「相手には自分の課題を乗り越えていけるだけの力がある」という信頼をプレゼントすること。
見守る・信頼する・というラインですね。
なかなかに、大人のアプローチですが^^;
*
「え?じゃあ私のことはどうなるんですか?」
「見捨てるような気持ちになるんですけど><」
「彼のことがなくなったら、私は生きていけません・・」
そんなふうに感じちゃう方はね、自分の心と向き合っていくのも大事かもしれませんね。
カウンセリングもご活用くださいませ。
参考になれば幸いです。



