「辛そうなのに、弱音を吐かない」
「なんでもひとりで解決しようとする」
「困っていることがあっても、相談してくれない」
パートナーを支えたいのに、なかなか心を開いてくれなくて
「私って必要なのかな?」「私って信頼されていないのかな」って寂しくなってしまう。
こういうことって、ありませんか?
パートナーが、しんどそうな姿をみているだけしかできない自分に腹が立ったり。
思いやりがあって、共感力がある優しい方ほど、
頼られない自分に欠陥を感じたり、苦しくなってしまうかもしれませんね・・。
でもね、パートナーが人に頼らないのには、あなたというよりも
その人なりの理由があることが多いのですよね。
今日は、心理学の視点から「人に頼らないパートナー」の心理を深掘りしつつ、今、自分ができることについてお伝えします。
あなた自身も楽に、そしてパートナーにとっても安心できる関係を築くきっかけにしていただけたらなと思います。

なぜ彼は「人に頼らない」のか?
実は、「頼らない人」には、大きく3つの心理的背景があることが多いです。
①「頼る=負け」と思っている
パートナーは「強くあらねば」と思っているタイプかもしれません。
幼少期から、「自分でやらないとダメ」と教えられて育ったり、弱さを見せると責められた経験があったりすると、大人になっても「誰かに頼ること=自分の価値を下げること」と無意識に思ってしまうのですね。
とくに、男性は小さな頃から「男の子なんだから、しっかりしなさい!」とか「男の子でしょ。ベソベソしない!」など「強くあらねばならない」といったメッセージを山盛り聞いて育ってきていたりします。
その価値観の中で「女性に泣きつく」ことって・・どれほど「情けないことだ」と感じるのか。
どれほどの無力さを感じるのか、を想像してみていただけるといいかなって思うのですよね。
本当は、そんなことないんですけどね^^;(助けて欲しいときに、助けてが言えるのは大事なことです!)
また、パートナーのお父さんが、「どんなことにも揺るがない強い人」であったり、威厳のあるタイプだったりすることで「男とは、弱音などを吐かずに大切な人を守るべきだ」という思いを持ちすぎてしまうこともあります。
(逆に、父が頼りなかったことで、家族を支えなきゃ!と感じてしまうケースもありますね)
そういった背景から
こちらに「心を許していない」わけではなく、「頼る」という選択肢がそもそも頭にないこともあるんですよね。
②「どうせ分かってもらえない」と思っている
過去に、悩みを打ち明けても軽く流されたり、「そんなことで?」と否定されたりした経験があると、「話しても意味がない」と心を閉ざしてしまうことがあります。
「どうせ言ってもわかってもらえないのだから、自分でなんとかしよう」
こうして、少しずつ「人に頼ること」をやめていったのかもしれません。
これは、パートナーが冷たいわけでも、あなたを信頼していないわけでもなく、「過去の傷」による防衛本能なのですが・・これ、本人が自覚していないことも多いのですよ。
あなたに対して「どうせ、君もわかってくれないだろう」と感じているから頼らない、と行動に起こしているのではなくてね
「このぐらいのこと、人に頼ることではない」
「自分でやるべきでしょ」
「人に頼ったところで、なんにも解決しないよ」
そんなふうに「頼りたい」という気持ちを丸ごと封印して、「頼らないことが当たり前」という生き方になっていることが多かったりするのですね。
③「頼ったら迷惑をかける」と思っている(優しさの裏返し)
「大切なパートナーに心配をかけたくない」
「大変な思いをさせたくない」
こんなふうに思っている可能性もあります。
特に、優しい人ほど、自分のことを後回しにしがちだったりします。
「自分の弱さを見せたら、相手がしんどくなる」と考えてしまうんですよね。
両親の代わりに、家族を支えてきた。
小さな頃から「大人」として生きてきた、そんなタイプに多いかもしれません。
自分も誰かの弱音を限界まで引き受けてきた。
自分が潰れてしまうぐらい、背負い込んできた。
その辛さを知っているからこそ・・
パートナーに対して重荷になりたくない、と感じている方も少なくないみたい。
④ 感情面で余裕がない
いま、感情的に揺らされたくない。余裕がない。
そんな思いから「頼らない」という男性も多かったりします。
弱音を吐いたら、明日から辛い現実を耐えられなくなってしまうのではないか。
足元から崩れ落ちて、もう、立ち上がれなくなってしまうのではないか。
本当は気持ちがいろいろ揺らいでいる中で、冷静に対処しなくてはならないとき、
自立的な人ほど「感情と少し距離を取る」ことが多いのです。
「そういうときほど、私に吐き出してくれたら、すこし気持ちが落ち着くかもしれないのにな」
って感じる方も多いと思うのですよ〜。
私たち心理カウンセラーとしても、そういったご提案をしていますしね。
それ自体が、間違っているわけじゃないのですよ。
ただ、頼るか頼らないかは・・最終的に「パートナー自身が選ぶ」ことが大切だったりします。
頼るにも、その人なりのタイミングや、感情の向き合い方がありますからね^^
頼らないパートナーの心理を知った上で、あなたができること
では、こんなパートナーとどう向き合えばいいのでしょうか?
共感力が高く優しい方ほど「私がもっと頼られる存在になればいいのではないか」「いまの私の関わり方が間違っているから、頼ってもらえないのではないか」と感じちゃうかもしれませんが、実はそういうことでもなかったりするのです。
むしろ、「私が間違っていたのかな」「頼ってもらえるような存在にならなきゃ」って無理に頑張ってしまうことが、逆効果になることも多いのですね。
というのもね、「もっと頼られよう」と頑張ってしまうと、パートナーが「頼らなきゃいけないのかな」とプレッシャーを感じたり、「頼ることで相手を困らせたくない」とますます遠慮をしてしまうことになりかねないんです。
その結果、音信不通になっちゃったりね^^;(あるある)
ですから、まずは、自分自身が「パートナーが頼ってくれないこと」で、自分を低く見積もってしまわないこと。
そんなパートナーに、いま、あなたは選ばれているということ。
いまでも、あなたがパートナーに与えられているものがある、ということを、ちゃんと受け取って
パートナーの存在を「悩みの種」にするのではなくてね
「私は私でいい」って、心の余裕を持つことが、ものすごく大切なのですよ。
あなたが「私は無理しなくていいのだな」と思えたとき、
パートナーも、あなたとの関係の中で「この人に、無理に頼らなくていいんだな」という安心感を感じます。
そして、安心できる関係性の中だからこそ
「頼る」という選択肢を持つ余裕が生まれたりするのですね。
心理学では、「安全基地(secure base)」という概念があります。
これは、人が心を開くためには「この人は自分を受け止めてくれる」「ここにいても大丈夫」と思える安心感が必要だというもの。
「頼ること」に不安を抱えている人にとっては、この「安心感」が、とっても大切になってくるのですね。
頼ることにリスクや怖れを感じている人は
「頼ってほしい」と伝えるだでは、自分や大切な人を守るために頼れないのです・・。
だから、頼らない人の力になりたいなって感じた時にはね
あなたが「無理に頑張らない」ことで、パートナーと「安心感」を育んでいくといいのですね。
ふたりの間に「安心感」を育てるためにできること
では、どうすれば2人の間に「安心感」を育てることができるのでしょうか?
3つほど書いておきますので、できそうなところから取り組んでいただけたらと思いますよ^^
① 自分の感情に気づく時間を持つ
パートナーが頼らないことで、あなたが「寂しい」「悲しい」「つらい」と感じること、
そして、パートナーが心配だという気持ちは、あなたの大切な気持ちのサインです。
パートナーが置かれている状況によっては、胸が潰れてしまいそうな気持ちを、あなた自身が抱えてしまうこともありますよね。
ものすごく強い無力感を抱えてしまうことだってあるでしょう。
だって、大切なパートナーのピンチなのです。
自分のことのように、辛い気持ちになるのは当然のこと。
あなたのその優しい気持ちを無視しないことも、すごく大切なんですよ。
ただ、不安や悲しみを、ひとりで背負い込んでしまうと潰れてしまいますからね
パートナー以外にも頼れる人を増やしていきましょう。
信頼できる友達や家族、カウンセラー(お待ちしておりますよ^^)
パートナーに、こんなことが起きているらしい。
自分はいま、こんな気持ちを抱えている。
どうしたらいいのか、分からない。
でも、なにか力になってあげたい。
状況や、心のうちを話したり、いま、なにをしたらいいのかを一緒に考えてくれる人がいるだけでも、心の負担が軽くなることが多いです。
頼らないパートナーとお付き合いしている方もね、つらいことほど誰にも頼らない・・なんて傾向にあることが多いですから^^;
あなた自身に味方を作ってあげること、あなたの心のケアを取り入れていくこと、大切にしてみてくださいね。
②「頼られない=愛されていない」ではないと知っておく
パートナーが頼らないと、「私のこと信頼してないのかな?」と思ってしまうこともありますね。
でも、パートナーにとって「頼らないこと」は、愛情とは関係ない場合がほとんどです。
「頼らない=私がいなくても平気」ではない。
「頼らない=愛されていない」でもないのです。
自分の価値とくっつけすぎていませんか〜?
あまりに、くっつきすぎているときには
あなたの心の奥に「役に立たないと愛されない」という恐れが眠っているのかも・・。
③ 「私はここにいるよ」と伝える
頼らないパートナーに対しては、「もっと頼ってよ!」「どうして頼ってくれないの?」など求めるのではなく
「頼ってもいいんだよ」「私はここにいるよ」というメッセージを、コツコツと伝え続けていくといいかもしれませんね〜。
ただ、これは言葉で伝えるだけでなくてね〜
普段から穏やかに接することや、無理のない距離感で接することでも伝えていくのが大切。
そうやって、安心できる関係を築いていくと
「この人には頼っても大丈夫かもしれない」と感じるタイミングが訪れることがあります。
直接相談しなくても、辛い時ほど会いたくなる。顔を見たくなる。声を聞きたくなる。
そんな存在になることも少なくないみたいですよ。
ただ、そのペースは・・・お相手しだい。
あなたがどうこう、ということではなく、お相手の気持ちしだいだったりします。
あるとき、弱った姿を見せたと思ったら、次の時には、まったく見せない。
回避性が高い人であればあるほど、距離感に迷うことが起きることがありますけども^^;
「そういうこともあるよね」動じずに、いい距離感で待ってあげることができると、安心感をより育めるかもしれませんね。
とにかく、あなた自身に「安心できる場所」を作ることが大切
あくまでケースバイケースですが・・
頼らないパートナーについての心理を書いてみましたが、いかがでしたでしょうか?
「頼らない人」を好きになってしまう背景には、「受け身の愛」よりも「与える愛」に安心する」という心理もあります。
無意識のうちに、「愛されることを待つより、自分から与えた方が安心」と思っていると、頼らないパートナーのように「距離を置く人」に惹かれやすくなります。
人に頼ったり、迷惑になると嫌われちゃうのではないか?
自分は受け入れられていると感じることができなくて、
与えることや役に立つことで「これで大丈夫」って安心する。
つまり、あなた自身が、周りの愛や助けを受け取れない
「人に頼れない」状態になっていることが少なくないんです。
もし、これまで「愛されるより、愛する方が楽」だと感じていたとしたら・・
少しずつ「受け取ること」を意識していくといいかもしれませんね。
頼れることがあれば、頼ってみる
「私も甘えていい」と思ってみる
まずは、パートナー以外の人から練習していきましょう。
私たち心理カウンセラーもお役立てくださいね。
あなたがあなたらしく、心地よい関係を築けますように。
参考になれば幸いです。

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