MENU
服部希美
心理カウンセラー/講師
カウンセリングサービス予約センター
受付時間 12:00~20:30
◎服部希美のカウンセリングを受けるには >>

婚活で決められない理由は父親との関係?男性不信と決断できない心理を解説

心理カウンセリングの現場では、婚活中の女性から
「良い人はいるけれど決められない」という相談を受けることがあります。

特に、幼少期に父親との関係で傷ついた体験を持つ女性の場合、
「決められなさ」の背後に、単なる優柔不断とは異なる複雑な心理メカニズムが働いていることが少なくありません。

本記事では、婚活における意思決定の困難さに繋がっている女性のケースを題材に、
その心理的背景と支援アプローチについて解説します。

目次

決められないのは、優柔不断だから?

心理カウンセリングの現場では、
婚活中の女性からこんな言葉をよくお聴きします。

「条件的には悪くない人はいるんです。でも……決められなくて」

周りから見れば、

・誠実そう
・大きな問題もなさそう
・年齢的にもタイミング的にも悪くない

それなのに、なぜか心が動かない。
前に進もうとすると、ブレーキがかかる。

この「決められなさ」は、
決してわがままでも、優柔不断でもないことが少なくありません。

婚活のご相談ケース

たとえば、こんなケース。

婚活を長く続けているものの、
どの人とも、いまいち、ピンとこない。

「失敗したくないんです」
「この人で本当に大丈夫なのか分からなくて」

そんな方の、心の中を紐解いていくと
こんな思いが隠れていることがあります。

  • 男性を心から信じきれない
  • 「この人でいいのか」が分からない
  • 決めることがどうしても怖い

そんな不安が、どうしても拭えない。

本人が感じている「迷い」

では、この「男性像」
いったいどこからきているのか?

カウンセリングでは、お話の中で
紐解いて行ったりするわけですね。

すると、過去に出会ってきた男性、
多くの場合「父親」に行き当たることがあるのです。

たとえば、子どもの頃、
父親はとても怖い存在だった。
逆らうことはできず、顔色をうかがいながら過ごしてきた。

大人になった今、父親自身は以前より穏やかになっているけれど。
それでも彼女の中には、嫌悪感や拒否感が消えずに残っている、なんてこと。

父親の記憶が、今の男性関係に重なってしまう

子どもの頃に体験した
「怖かった」「支配されていた」「安心できなかった」という感覚は、
大人になってからも、無意識の中に残ります。

そのため、

「結婚したら、あの人と同じようになるのでは」
「最初は優しくても、いつか変わるのでは」

そんな予期不安が、
目の前の男性とは無関係に立ち上がってくるのですね。

幼い頃、
一番守ってほしかった存在から怖い思いをした場合、
人との距離感はとても慎重になります。

そりゃあ、そうですよね。

つまり、この迷いは「考えすぎ」ではなく、
こころが一生懸命、自分を守ろうとしている反応だったりするのです。

「私には判断する力がない」という思い込み

また、長いあいだ、父親が怖くて

「逆らえなかった」
「自分の気持ちを通せなかった」

そんな経験が積み重なると、いつの間にか

「私の判断は間違う」
「決めると、きっと失敗する」

という感覚が染みついてしまうことがあります。

基本的にね、決められないのは、
自分を信じられないから。なのですよ。

そうするとね、恋愛や結婚の主導権が
相手に丸ごと譲ってしまう状態になるので、
余計に怖くなってしまうと思うのですよね^^;

だって、自分には自分を守ったり、選ぶ選択肢がない状態になってしまうわけですからね。

決めないことで、守ってきたものがある

また、このご相談をおうかがいしていると
「決めなきゃいけないのに決められない自分はダメだ」という自己否定をされている方が、
非常に多かったりします。

周りの人にも散々相談して、いっときは「こうしよう!」と決めたのに
翌日には、またぐるぐる考えちゃう。
そんな様子をみて、周りから「さっさと決めなさいよ!」なんて、檄を飛ばされちゃった^^;
みたいなお話もよくお聞きしますね。

でもね、決められない時というのは、あなたの心がそれだけ慎重になってるということでもあるのです。

実は、「決めない」という選択は、
とても賢い防衛でもあるのですよね。

決めなければ、
・失敗しなくて済む
・深く傷つかなくて済む
・怖い未来に飛び込まなくて済む

心は、ちゃんと理由があって立ち止まっているのです。
自分を必死に、守ろうとしてくれているのですよね。

決められない自分を否定してしまうと
心の中にモヤモヤが残り続けることになってしまいますから
まず、決められない自分を責めている部分をゆるめていきましょうね。

罪悪感と自己矛盾

また、結婚に関して決められない要素の一つとして
「男性を嫌っている自分が結婚していいのか」という葛藤を
無意識に持ってしまう方もいらっしゃいます。

自分の中で、心の不一致が起きちゃうわけですね。

これは、ひっくり返してみれば
「本当は、心の底から愛し合いたい」という想いの現れでもあると思うのですよ。

あなたの中に、男性を愛したい気持ちがあるからこそ、葛藤が起きる。

こういう葛藤を持っていると「私は結婚に向いていないのかしら」と感じてしまう方も少なくないと思うのです。

でもね、実は、逆なんですよね。

これまで、いろんなことがあったけれど
やっぱり、愛し合える関係を築きたい。

そんな純粋で、まっすぐな思いを持った
あなた自身に気づいていますか?^^

そんなあなただからこそ、築ける
そんなあなただからこそ、大切にできる関係が、必ずありますからね。

自分を責めるのではなく、どうか、あたたかく応援してあげてくださいね。

実際のカウンセリングでも取り入れているアプローチ

もし、あなたが 「あ、これ私かも」と思うパターンがあったら、
まず、それに気づいたこと自体が大きな一歩です^^

自分のクセを知ることで、 次からは「あ、いつものパターンだな」と
少し距離を置いて見られるようになりますからね。

ここからは、実際のカウンセリングでも取り入れているアプローチの一部を
少しご紹介したいと思います。

よかったら参考にしてみてくださいね。

(実際のカウンセリングでは、クライアントさまの状況や、プロセスに合わせながら丁寧にプロセスを進めていきます。
ケースバイケースですから「私の場合を知りたいわ」という方は、カウンセリングをご活用くださいね)

安全な関係性の中で、心をケアしていく

父親との関係で傷ついた女性にとって、
まず必要なのは「正しさ」ではなく、「安全」です。

評価されない。
支配されない。
急かされない。

ただ

「そのままの気持ちを出していい」

そんな空気の中で、
怒りも、悲しみも、悔しさも、
少しずつ言葉にしていきましょう。

  • 「小さかったあなたは、どうしたかった?」
  • 「本当は、お父さんにどうしてほしかった?」

父親から得られなかった「無条件の安全」を、
信頼できる人と体験していくことが、まず、大切だったりします。

ここを丁寧に扱うことで、
今の恐れが、少しずつ“過去のもの”になっていきますからね。

カウンセリングの得意分野でもありますから、
よろしければ、カウンセリングもご活用くださいね。

「嫌なことに嫌と言う」練習をしてみる

子どもの頃、
「嫌だ」と言えなかった方ほど、
大人になってからも、同じことでつまずきやすくなります。

本当はモヤっとしているのに、
空気を壊したくなくて、飲み込んでしまう。

後から疲れがどっと出たり、
なぜか相手が苦手になってしまったり。

それは、あなたが弱いからではありません。
「嫌と言ったら、怖いことが起きる」
そんな学びを、心がずっと覚えているだけなんです。

まずは、安全な場所から

「私は、こういうことは嫌なんだ」
「ここまではOK、ここからは嫌」

を気づき、自分で決める体験を積み重ねていきましょう。

そして、

もし、人に伝えるとしたら
どんなふうに伝えてみる?

と、口に出して練習をしてみたり。

いま、言えていない人がいるならば
練習として伝えてみる(もちろんハードルが低いところから!)

安全な場所で、練習をしていきましょう。

言っても大丈夫だった。
拒否しても、関係は壊れなかった。
その小さな体験が、心の奥に少しずつ残っていきますからね。

「レッドフラグ」と「グリーンフラグ」を知っておく

婚活で迷ってしまう方の多くは、 「何を基準に選んだらいいか分からない」と感じています。

そこで役立つのが、 絶対に避けるべきサイン(レッドフラグ)安全な関係の兆候(グリーンフラグ) を知っておくこと。

レッドフラグ(絶対に避けたい特徴)

  • 支配的で、あなたの意見を聞かない
  • 高圧的な態度を取る
  • 嘘をついたり、約束を守らない
  • あなたの境界線を尊重しない
  • 暴力的な言動がある(言葉の暴力も含む)

グリーンフラグ(健全な関係の兆候)

  • 対等な立場で接してくれる
  • あなたの意見を尊重し、ちゃんと聞いてくれる
  • 「嫌だ」と言っても、怒らずに受け止めてくれる
  • 約束を守り、責任を取る
  • あなたのペースを大切にしてくれる

などなど。

あなたにとって、どこまでが大丈夫で、どこまでがNGか。
自分の中で定めておくだけで、決めることが随分とラクになりますよ。

「今」と「昔」を分けて考える練習をしてみる

心の整理がついてきたら

「あの頃の父」と
「今、目の前にいる男性」は別もの。

何度も、何度も
一緒に整理していきましょう。

頭では分かっていても、
心は混ざってしまいます。

一緒くたにしてしまいそうになったときには
一度、立ち止まって。

目の前の男性、そのものを見てみるようにしてみましょう。

「この人と一緒にいて、少しでも楽なところはあるだろうか」
「ちゃんと話を聞いてくれるところはあるだろうか」

ここでのチェックポイントは「完璧を求めすぎないこと」

心理学には「Good Enough(ほどほどに良い)」という考え方があります。

それは、理想的でなくても、欠点があっても、
「この関係ならやっていけそう」と感じられることを大切にする、という発想です。

それは、自分自身に向ける目でも、同じですね^^

100点じゃなくていい。
60点でも70点でも、
安心できるところがちゃんとあるなら、それで十分。

そんな関係を、大切にしてみましょう。

困った時に誰にどう相談するのかを決めておく

「本当にこれで良かったのかな」
「やっぱり間違ってたかも」

そんな気持ちが出てきたとき、 一人で抱え込まないことが大切ですよね。

決断の前に考えておきたいこと

  • 不安になったとき、誰に相談できる?
  • 信頼できる友人、家族、カウンセラー
  • 「決めた後も、支えてもらえる」という安心感

これがあるだけで、 決断のハードルがぐっと下がります。

一人で全部抱える必要はないんです。 助けを求めていいんですよ^^

本当のゴールは「結婚」ではありません

実は、こういったテーマのカウンセリングの真のゴールは、

「お父さんを許すこと」でも
「必ず結婚すること」でもなかったりします。

ゴールは、

  • 自分の気持ちを信じられるようになる
  • 過去に振り回されず、今を選べるようになる
  • 結婚する・しないを含めて、自分で決められるようになる

結果、自分の望む相手を決めることができる自分になれる
こんなイメージでしょうか^^

最後に。
もし今、 「どうしても決められない自分」を責めているなら、
少しだけ、立ち止まってみてください。

決められなかったのは、 あなたが弱かったからでも、間違っていたからでもありません。
それだけ、 心が一生懸命、あなたを守ろうとしてきた ということなんです。

その頑張りを、 まず、自分で認めてあげてくださいね。

そして、もし一人では難しいと感じたら、 いつでもカウンセリングを頼ってください。

迷いごと、そのまま持ってきてくださいませ^^

あなたの心が、少しでも楽になりますように。

参考になれば幸いです。

あわせて読みたい
「母を守るために、父を嫌いになった私」とうまくいかない恋愛との関連 「優しい人を選んだはずなのに、なぜか心がザワつく」「結婚を意識すると、無性に不安になる」「男性に対して、不信しかない」 そんな恋愛の違和感の裏には、あなたが幼...
あわせて読みたい
感情を見せない父と過ごした娘が、パートナーに無意識に求めがちなもの 子どもの頃、父親が感情をあまり表さないタイプだった。 たとえば、淡々としていて、嬉しそうな顔も怒った顔も見たことがない。褒めてくれることも少なければ、スキンシ...
あわせて読みたい
助けてあげなければいけない男性ばかりを好きになる〜父親との関係から紐解いてみる〜 いつもありがとうございます。カウンセリングサービス 服部希美です。 今日は、ちょっとお久しぶり。なんだか気づくとダメンズさんばかりを好きになっちゃうのよね、そ...

直近の面談カウンセリングスケジュール

服部のカウンセリングは、全ての日程で、スマホやPCでご利用いただけます「オンラインカウンセリング」をご利用いただけます。

オンラインのみ(ZOOM)
12月15日(火)13時、16時、19時(追加)
12月16日(木)16時、19時
WEB予約もご利用いただけます

名古屋(金山)対面Orオンライン
12月29日(月)10時、13時、16時
写真付き会場アクセス

東京(代官山)出張Orオンライン
12月19日(金)10時、13時、16時追加)
写真付き会場アクセス

ご予約は・・
予約センター06-6190-5131
営業時間:12時〜20時30分
休日:月曜、他

詳しいスケジュールと、ご予約方法

  • URLをコピーしました!
目次