子どもの頃、父親が感情をあまり表さないタイプだった。
たとえば、淡々としていて、嬉しそうな顔も怒った顔も見たことがない。
褒めてくれることも少なければ、スキンシップや「好きだよ」という言葉もなかった。
そういった父との関係を持った娘は、大人になったとき、
恋愛関係において、パートナーに無意識に求めてしまうことがあるようです。
今日は、父と娘の関係から
恋愛関係を紐解いてみたいと思います。

あなたのお父さんはどんなお父さんでしたか?
いつもお読みいただき、ありがとうございます。
心理カウンセラー 服部希美です^^
今日は、お父さんと私。
たとえば、こんなお父さん。
テストで、いい成績を取ってきても
運動会で活躍しても、反応が薄かったお父さん。
自分といっしょにいても、みてもらえている感じがしなかった。
いつも、眉間にギュッと皺がよっている怖いお父さん。
私はいつも、怒られないように頑張っていた。
お父さんは私が邪魔なんだろうな。
趣味に仕事に、大忙しなお父さん。
家族といる時間より、一人でいる時間の方が好きなのかな。
私のこと、そんなに興味ないんだろうな。
言葉少なめなお父さん。
怒ることもあまりないけれど、子供との会話もない。
私はお父さんが何を考えているのか分からなかった。
そんなふうに「感情表現があまりない」お父さんっていらっしゃると思うのですよね。
そんな空気の中で育った娘さんの中には
大人になって恋愛をするとき、ある 「願い」を心の奥に抱えていることがあるんです。
それは、「ちゃんと愛されていると感じたい」という願いです。
父から得られなかったものをパートナーに求める心理
もしかすると、お父さんも精一杯だったのかもしれませんし、
言葉にするのが苦手なだけだったのかもしれません。
男親は、自分の性と違う「娘」に対して
どうやって接していいか分からず
子育ての全てを母親に任せきりになってしまった、なんてお話は結構お伺いしたりもしますし
照れ屋さんで、あまり感情表現が得意じゃない方もいれば
その時期に、ものすごいストレスがかかりすぎていて余裕がなかったケースもあったりと
家庭には家庭の事情があったりもするわけなのですが・・
子どもの心はとても敏感で
「何を考えているのかわからない」=「私に関心がないのかな」
そんな風に、寂しさを感じてしまうことがあるんですよね。
その寂しさは、やがて
「私は大事にされない存在なんじゃないか」
「お父さんは私のこと、嫌いなんだ」
そんな思い込みになっていってしまうことも少なくないようなんです。
それが悲しすぎて
どうせ、私のことなんて、どうでもいいんでしょ?
だったら私だって、お父さんのことなんてどうでもいいし!
そんなふうに、お父さんを「空気」にしていました。
な〜んて方も、もしかしたらいらっしゃるかもしれませんね。
でね。それがいい悪い、ということではなくて
「父との葛藤」が未完了で終わっていると
こういった恋愛のトラブルが起きやすくなるよー、なんて心理学ではいわれているんです。
1. 「はっきりとした愛情表現」を相手に求めすぎてしまう
たとえば、子どもの頃に父からの愛情を「感情」として受け取れなかった経験があると、
大人になってから「ちゃんと好かれているって実感したい」という欲求がとても強くなることがあります。
たとえば・・
- 「好きって言ってくれないと不安になる」
- 「本当に私のこと大事なの?」と確かめたくなる
- ちょっとでも距離を感じると「嫌われたかも」と感じやすい
- スキンシップや、甘えるような関係性を求めすぎてしまう
自分のために時間を作ってくれたことや、プレゼントなどでは、あまり愛情を感じられず
望む言葉であったり、自分が「愛されている」と感じやすい形じゃないとノーカウントにしてしまう。
こういうことも起きることがあるようです。
そんな風に、相手の言葉や態度に一喜一憂してしまうと
必然的に、疲れやすくなってしまいますよね^^;
気分も上がったり下がったり
期待したり失望したり・・・
いつでもハラハラする恋愛ばかり。
安心できる関係を築くのが難しくなってしまうことがあるんです。
2. 「わかってほしい、でも本音は言えない」
また、関わりに行った時に、父親からの反応が薄くガッカリしてしまった・・
そんな経験を重ねていると、自分の気持ちを相手に伝えることが怖くなってしまうこともあります。
たとえば、本音を話したいのに、
- 「面倒くさいと思われるんじゃないか」
- 「こんなこと言ったら嫌われるかも」
- 「嫌な顔をされたらムカつくから、言わない!」
そんな不安が先立って、つい感情を飲み込んでしまう。
でもその一方で、心の中では「わかってほしい」という気持ちがとても強くあったりして。
その葛藤が、恋愛の中でしんどさや行き違いを生みやすくなることもあります。
3. 「こちらが嫌っても、諦めずに求め続けてきてくれる人」への強い憧れ
また、言葉で自分の気持ちを伝えるのが苦手になればなるほど
「言わなくても気づいてほしい」という願いを強く抱くことがあります。
「寂しい」と言えずに我慢してしまったり、怒りを飲み込んでしまうけれど、内心では「なんでわかってくれないの?」と苦しくなってしまう・・みたいなこと。
感じたことがある方、いらっしゃるかもしれませんね。
- 表情の変化から気持ちを読み取ってほしい
- 怒っているわけじゃないけど、落ち込んでいることをわかってほしい
- 忙しいときでも、「寂しかったでしょ?」って声をかけてほしい
「私とお付き合いしたいなら、あなたから、私が作った壁を乗り越えてきて!」
「あなたは私の気持ちを察する側でしょ?」
こんな願いをパートナーに無意識に抱いてしまったりすることも。
でもね、パートナーは他人であって
気持ちを察するって難しいことだったりしますよね。
お互いに協力し合って
わかりあうステップを積み上げていくことが大切なのですが
期待してしまった分、その過程でも「私のこと、大事じゃないんだな」なんて、傷ついてしまうこともあったりするわけです。
また、パートナーが感情表現が苦手なタイプだったり、
鈍感だったりすると、ここでまた深く傷ついてしまったりすることもあるのですね。
4.「感情を見せない・わかりづらい」パートナーを無意識に選びやすい
感情表現があまりなかったお父さんとの葛藤を抱えていると、「どこかお父さんに似た人」に惹かれることがあります。
それは「慣れ親しんだ安心感」ともいえるのですが、結果的に同じような「愛されている気がしない」という寂しさを再体験してしまう場合もあるのですね。
たとえば・・
- 自分の話をちゃんと聞いてくれない人に惹かれてしまう
- 気持ちを隠す人に惹かれてしまい、「分かりたい」「心を開かせたい」と頑張ってしまう
- 反応が薄い相手に、自分の存在を認めさせたくて、つい無理してしまう
- 「何を考えているのか分からない」と感じるような相手ばかりを選んでしまう
いってしまえば、パートナーに感じている不安や不信感は
かつてのお父さんに抱いていたものと同じである、と言えるのかもしれませんね。
5.「私は愛されない存在なんだ」と思い込んでしまう
そして一番は、、
相手の些細な態度を「やっぱり私は大事にされない」と結びつけてしまい、自信を失ってしまう。
こと。
父親からの愛情を感じられなかった、という体験が、
「自分には愛される価値がない」という根深い思い込みに繋がっているケースは、
カウンセリングでもよくお伺いします。
自分に価値がないと思い込んでしまっていることで
恋愛中、相手の反応がちょっと冷たいと感じただけで
「やっぱり私はダメなんだ」と感じてしまい、自己肯定感が大きく揺らいでしまい
自ら恋愛を壊してしまう、なんてことも・・。
小さな誤解が積み重なる前に
どこか心の奥で、「私には、ちゃんと愛される価値があるのかな?」と
自信を持てずに、恋愛の中でその答えを探そうとしてしまうときには
一度、大元にある「自分の気持ち」と、「今だから、理解できること」に目を向けてみるといいかもしれませんね^^
子どもの頃、手を伸ばしても届かなかった 「お父さんの心」
本当は、もっと笑ってほしかったし、
もっとぎゅっとしてほしかった。
「大好きだよ」って言ってもらいたかった。
それは、あなたがお父さんを
大好きであっただけ、出てくる欲求でもありますからね。
恋愛がうまく行っていないと、つい、自分を責めがちだと思うのですが
あのパートナーに対しても。
あのお父さんに対しても。
あなたは大切に思っていた。
あなたは、それだけ優しい人なんだよ。
恋愛のパターンを変えていくためには
ここは大事なところ、だったりしますよー。
カウンセリングもご活用くださいね^^
参考になれば幸いです。


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