「忘れなきゃ」「前を向かなきゃ」「いつまでも引きずってたらダメだよね」
──そんなふうに、自分に言い聞かせている方は少なくないのではないでしょうか。
でもね。
本当に大切なのは、無理やり“相手を忘れること”や“思い出を消すこと”ではないんです。
まず必要なのは、「今の自分の気持ちに、ちゃんと寄り添ってあげること」。
悲しかった。
寂しかった。
でも、本気で好きだった。
そして、気持ちに寄り添いながら・・
自己価値を取り戻していくこと、だったりします。
傷ついた自分の価値を、取り戻すということ
失恋のあと、私たちはつい「自分に足りなかったもの」を探してしまいますよね。
「私のどこがダメだったのかな」
「もっと可愛ければ、変わっていたのかな」
「もっと尽くしていれば、違う未来があったのかな」
そんなふうに自分を責めているうちに、
だんだんと「愛される資格がないのかも」「人を愛する力がないのかも」と
自分の存在そのものを否定してしまうことも、あるのではないでしょうか。
そして、この状態のまま
「前に進まなきゃ」と無理に頑張ろうとすると…
無理をしすぎたり、
余裕がなくて視野が狭くなってしまったり、
自分のことでいっぱいいっぱいになってしまって、かえって、うまくいかなくなってしまう。
そんな悪循環が、起きてしまいやすいのですよね。
焦るお気持ちも、すごくすごく分かる分・・
切ないなって、思うところでもあるのですけどね。
「わたしって、ほんとはこんなにがんばってたんだ」
セッションの中で、涙を流しながらそう呟いてくださったクライアントさんがいらっしゃいました。
その方は、失恋をしたあと、なかなか前を向けない自分をたくさん責めていらっしゃいました。
「友だちにはもう十分慰めてもらった」
「次に行こうって自分でも思ってる」
でも、心がついてこない。
カウンセリングでは、こんなふうにお話をしました。
「失恋をして、自分の“価値”が信じられなくなってしまったのかもしれませんね。
でも、あなたなりにがんばったこと、愛そうとした気持ちは、決してなくなったわけじゃない。
むしろその恋の中に、あなたの素晴らしさがたくさん詰まっていたのではないですか？」
すると彼女は、少しずつご自身の心に触れはじめてくださいました。
「自分を責めていたのは、愛した証だったのかもしれません」
その方は、長年「迷惑をかけないように」と感情を抑えながら、相手に合わせる恋愛をしてきた方でした。
でも、どうしても譲れない部分が出てきて、
すれ違いが増えていって、お別れに至った。
それでも、彼女は「私さえ我慢していれば」と、
自分を責め続けていたのです。
でもそれって…それだけ「大切にしたかった」「守りたかった」からこそ、だったのですよね。
たとえ想いが叶わなかったとしても、
その中にはたしかに、愛があって、優しさがあって、あなたらしさがあったはず。
短い間だったかもしれないけれど、あなたの良さや素晴らしさで、彼に楽しい時間をプレゼントしたり、助けていたりしていたハズ、なんですよね。
カウンセリングでそのことに触れたとき、
彼女はこんなふうに言ってくださいました。
「叶わなかったけれど、私は私なりに、すごくがんばってた。
ちゃんと愛そうとしてた。
ひとときだったけれど、彼の安らぎにもなれていたかもしれない。
……そんな自分を、もう一度大切にしてあげたいです」
自分の価値を思い出すこと。それが立ち直りのはじまり。
失恋をしたからといって、あなたが価値のない人間になるわけじゃありません。
泣いた自分も、がんばった自分も、
本音が言えなかった自分も、想いを秘めていた自分も
ぜんぶぜんぶ、大切にしてあげてほしいのです。
そうやって、大切にしていくうちに
いつかまた、あなたの中のやさしさや愛を、誰かに差し出せる日が来ますから。
それまでは、どうかご自身にたっぷりと愛を注いであげてくださいね。
＊
とはいえ・・・
ほとほと自分を見損なっている時に
自分で自分の価値を見るのは簡単なことではありません。
傷ついているときほど、自分一人で取り組むのは難しいものなのですよー。
そんな方はカウンセリングもどうぞ＾＾
あなたのお力になれたら嬉しいです。
参考になれば幸いです。
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