「優しい人を選んだはずなのに、なぜか心がザワつく」
「結婚を意識すると、無性に不安になる」
「男性に対して、不信しかない」
そんな恋愛の違和感の裏には、あなたが幼い頃に背負ってきた「家族の役割」が隠れているかもしれません。
母の味方でいるために、父を嫌うしかなかったあの頃の自分。
その無意識のパターンが、今の恋愛に静かに影を落としているとしたら?
心の深いところでつながっている「親子関係と恋愛」。
やさしく解きほぐしながら、あなただけの人生を取り戻すヒントをお届けします。
いつもお読みいただき、ありがとうございます
心理カウンセラー 服部希美です。
今日は、カウンセリングの現場でもお聞きすることが多い
「母+私」VS「父」の関係が恋愛に及ぼす影響について書いてみたいと思います。
母を守るために、父を「悪者」にしてきた過去
たとえば、
子どもの頃、お母さんがつらそうにしている姿を見てきた方の中には
お父さんの言動で傷ついているように見えるお母さんのそばで、
「私が味方にならなきゃ」と感じていた方も少なくないんじゃないかなって思います。
言葉にしなくても、心の中で、
「お父さんは、なんてひどい人なんだ」
「お母さんは、なんてかわいそうなんだ」
「私は、お母さんの味方だから」
そんな気持ちを抱えていたこと、ありませんでしたか?
たとえば・・こんな経験をした方もいらっしゃるかもしれません。
小さな頃、母が泣いていたところに遭遇した。
母がこぼした弱音を、私は胸の奥にしまい込んで、
「大丈夫だよ、私がいるから」と笑って見せた。
いつもいつも、とめどなく出てくる
お母さんの愚痴を一生懸命聞いてあげてた。
両親が激しいケンカをしている様子を、みているしかなかった。
助けてあげたいと思ったけれど・・何もしてあげられず、悔しかった。みたいなこと。
そういう立場に立たされるとね
本当に苦しいわけです。めちゃくちゃ苦しい。
その結果「母を守る役割」を担うために、
知らないうちに父に対して距離をとるようになっていた、なんてことが起きたりするのですよね。
たいへんそうな立場の味方をするために・・
わざわざ、片方を「悪者」にしちゃうわけですね。
そんな思い自体は、お母さんを支えようとする、あなたなりの「やさしさ」。
家族の中で何かを守ろうとした、子どもなりの精一杯の行動だったのだと思うのです。
でも
そのとき、心の奥に芽生えた感覚。
「男性=こわいもの」
「男性=信用できない」
「男性=敵」
そんな思いが、大人になった今の恋愛に、静かに影響を与えていることがあるのですね。
無意識の“家族のパターン”が恋愛に出てくるとき
たとえば、幼い頃に「お母さんの味方でいなきゃ」と、
お父さんを「悪い人」として心の中で切り離していたとします。
お父さんは家族を顧みない、自分勝手な人なんだ。
お母さんだって、いっぱい私に愚痴を言っている。
だから、お父さんを許しちゃいけない。愛しちゃいけない。
そんな思いが、無意識の中に眠っていると・・
大人になっても「男性=こわい存在」「支配的で信用できないもの」であり
「好きになってはいけない」対象として感じてしまうことがあるのですね。
また、「母を守る私」が強く心に根づいている場合、
恋愛でもつい「自分が主導権を握らなきゃ」「相手に気を許したら壊れてしまう」といった思いが出てくることがあります。
一見、自立的でしっかり者に見えるその態度も、
実は「男性に委ねることへの怖さ」や「父親のような人を避けたい」という深い恐れが背景にあることもあるのですね。
一見、今の恋愛とは関係のないように思える葛藤の中に、
子ども時代の「母と私」「父との関係」が色濃く投影されている
そんなケースは、決して特別ではありません。
でも、もう、あの頃の役割を降りてもいいのですよね。
あくまで、戦っていたのは「お母さん」と「お父さん」で・・
あなたではないはずなのですから。

「母の代わり」に「父を裁く存在」でいなくてもいい
子どもの頃のあなたが、お母さんを守るために
一生懸命にがんばってきたことは、本当に尊く、素晴らしいことです。
とってもとっても、優しい
お母さん思いのお子さんだったという証拠でもありますね。
でも、あなたはもう、
「母の代わり」に「父を裁く存在」でいなくてもいいのです。
あなたは、お母さんに遠慮せずに
あなたの好きな人と、幸せを感じていい。
遠慮せず、お母さんもお父さんも大好きでいてもいいんです。
そうやって「誰かの感情を背負う」という役割を降りたとき、
もしかすると、心にぽっかりと空白ができるかもしれません。
すこし「お母さんを見捨てる」ような寂しさを感じてしまうかもしれないけれど・・
そのぶん、「私自身の人生」を生きる準備ができてくるのですね。
パートナーは、戦う相手じゃなくて“つながる相手”
また、親との関係がこじれていた場合、
パートナーとの関係が「代理戦争」のようになってしまうこともあります。
父への怒りを彼にぶつけてしまう。
母への我慢がよみがえって、必要以上に気を遣ってしまう。
それに気づかないままだと
負のループに入ってしまうこともありますから、
一度、立ち止まって、自分の心の中を見つめ直してみましょうね。
あなたの恋人や夫は、
あなたが過去に守ろうとした人たちとは違う存在です。
そして・・パートナーは、戦う相手ではなく、安心してつながっていける相手。
そのことに気づけたとき、
あなたの中で「人との関係」が、少しずつやわらかく、あたたかいものへと変わっていきます。
あなたが安心して心を開いていけるような、 そんな新しい関係性を築いていくことも、きっとできるはずですよ。
あなた自身の人生を、あなたのために生きる
これから先、誰かと心地よくつながっていくためには、
まずは「自分との関係」を取り戻すことが大切ですね。
私は、大切な人を十分に支えてきた。
私は、私のために生きていい。
私は、悪くないんだよ。
その実感を、少しずつでも感じられるようになったとき、
恋愛のあり方も、パートナーとの関係も、やさしく変わっていきます。
あなたの中のやさしさが、 “犠牲”ではなく“つながり”として生かされる恋愛へ
今度こそ、そんな愛を、育てていけますように。
参考になれば幸いです。
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