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服部希美
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同じ恋愛パターンを繰り返す理由とは?〜心理学でわかる「再演性」の仕組み〜

「もう傷つきたくない」「次こそはうまくいく恋がしたい」
そう願っているのに、また同じような相手を好きになってしまう。
気づけば、前と似た悲しさを味わっている──。

こんな経験をされた方は、少なくないのではないでしょうか。

そういう恋愛を繰り返していると
自分の見る目がないのかな、と責めたくなる気持ちが生まれることもありますよね^^;

この恋愛は、間違っているのかな。
そんな不安に駆られることもあるかもしれません。

こんなときには、すこし、自分の心を見つめて
“再演性”と呼ばれる心の働きが影響していないかチェックしてみるといいかもしれませんよ。

再演性、とは、
過去の寂しさや、言葉にできなかった願いが心の中に押し込められている時
私たちは「今度こそ、違う結末にしたい」という思いから、似た相手に惹かれてしまう、という心理です。

それだけでなく、今の恋愛で「頭では分かっているけれど、心がショックを受け過ぎてしまう」場合にも、この「再演性」が影響を及ぼしていることがあるんです。

この記事では、再演性が起きている時
どんな心の動きが起きているのか、
そして、どうすればそのループが静かにほどけていくのか
紐解いてみたいと思います^^

参考になれば幸いです。

目次

再演性とは?

再演性とは?
「今度こそ、やり直したい」という心の動き

再演性とは、
過去にうまくいかなかった関係を、今度こそ違う形で終わらせたい
という心理のことを言います。

人が苦しい体験であっても「無意識に繰り返してしまう」理由は、
過去の関係や体験を“やり直し”しようとする心の働きにあるのではないか、と
心理学では考えられてたりするのですね。

たとえば、過去の満たされなかった気持ちが残っていると、
心は無意識に「もう一度やり直そう」と動くことがあります。

いつも後回しにされて悲しかった
甘えたかったのに甘えられなかった
大切にされたかったのに距離を感じていた

こうした体験が心に残っていると、
大人になってから、似た雰囲気を持つ相手に惹かれやすくなることがあるのですね。

たとえば──

どこか影のある人
孤独を抱えている人
仕事はできるけれど、心は不器用な人
自分を思いやる余裕があまりない人

そんな相手ほど、
「私がそばにいなきゃ」
と強く感じてしまう恋のパターンが続くことがあります。

寂しさを感じても、
見てもらえていない気がしても、
苦しいのに離れられない。

周りの人にも「もう、やめときなよ」「あなたが苦しいだけだよ」なんて言われちゃう。

でも、諦めきれない。

こうしたケースの中には、
幼い頃に “誰かを支える役割” を担ってきた方が、
同じ関係性を大人の恋愛で再演してしまっていることがあったりします。

お父さんが毎日忙しくて、
「迷惑をかけちゃいけない」と、
わがままを飲み込んできた優しい子。

本当はもっと甘えたくて、
そばにいてほしかったけれど・・
迷惑にならないように、と、寂しさをぐっと堪えてきた。

ずっと我慢をしていたら
いつか、この寂しさに気づいてくれるかな。

待たせてごめんね。寂しかったよね。
世界で一番大好きだよ、ずっと一緒だよ、って言ってくれるかな。

その健気な思いが、現実の世界で
「似たような人に、あのときの願いを託してしまう」ことがあるのですね。

今の傷つき × 過去の傷つき

そして、再演性が働いている時
もうひとつ、起こりやすいことがあるのです。

それは、
今の恋の傷つき+過去の傷つきが重なってしまうことで
今起きている以上に苦しく感じてしまう、ということ。

たとえば──
大事なタイミングで彼からLINEが返ってこない。
楽しみにしていた約束が、延期になってしまった。
休日に、自分の予定ではなく友人の予定を優先させた。

その瞬間、
やっぱり私は後回しなんだ」
「けっきょく、私はぞんざいに扱われるんだ」
「やってられない」「馬鹿にされてる!?」

なんて、ものすごく悲しい気持ちになっちゃう、みたいなこと。

冷静に考えれば、彼には本当に事情があると分かる。
自分のことを蔑ろにしているわけでもない、と分かってる。

でも、気持ちはついていかない。

こんなとき、
今の出来事だけに反応しているのではなく、
過去の寂しさまで、いっしょに揺れている場合も少なくないのですね。

「今の傷つき × 過去の傷つき」
これが再現性が働くときの特徴です。

同じ出来事でも
子どもの頃に感じた寂しさや言葉にできなかった悲しみが残っていると、
昔の痛みがまとめて揺れ動いてしまうことがあるのですね。

再演性に気づけると、恋の選び方は変わっていく

再演性のテーマは、
「気づくこと」がいちばんの鍵になります。

そして気づくための入口になる問いが、これです。

「あの頃の私は、本当はどうしてほしかったんだろう?」
「あの時の私は、本当は何をしたかったんだろう?」

この問いを丁寧に扱っていくと、
今と過去が、分けて見えるようになります。

怒りの奥にある寂しさ。
強がりの奥にある不安。
諦めたように見えた気持ちの下にあった、本当の願い。
それらに触れた瞬間、心は少しずつほどけていきます。

そして、「もう、あの頃の続きを恋愛でやらなくてもいいんだ」
と感じられたとき、自然と恋愛や感じ方が、変わり始めることが多いみたいですよ^^

再演性は「問題」ではなく、
満たされなかった願いがまだ心の中にあるサイン

同じ恋のパターンを繰り返してしまうことにも、
必ず、あなたなりの理由があります。
それだけ、大切にしたかった思いや優しさがあることが多いですよ。

そして、これは、恋愛のパターンを変えていくだけでなく
あなたの心が本来の安心を取り戻していくプロセスでもあります。

もし、いま胸の奥がチクッとしたり、
「私のことかもしれない」と感じるところがあったら、
それは、あなたの心が「そろそろ本当の気持ちに気づいてほしい」と
サインを出してくれているのかもしれませんね。

健気で愛情がいっぱいの優しいあなたが
“過去の続きをやり直す恋” ではなく、
“これからのあなたにふさわしい幸せ”に向かえますように。

カウンセリングもご活用くださいね。

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